【韓国】[イ・ビョンドの時代架橋]不動産政策の昨日と今日~このままではいけない~

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[イ・ビョンドの時代架橋]不動産政策の昨日と今日~このままではいけない~
文政府、新しい対策不安…~投機慣行~繰返しの可能性
政治および経済社会的要因、本源的処方工夫されなければ
2017年08月12日(土)イ・ビョンド時事評論家sisaon@sisaon.co.kr
(時事今日、時事ON、時事来た=イ・ビョンド時事評論家)

新政府が樹立するたびに強力な不動産投機抑制対策を数えきれない程施行してきた。
しかしほとんど、ほとんどの不動産投機という社会的慢性病を根絶するには失敗したし、逆機能だけ露出させたりした。
今回は果たしてどうだろうか?

ムン・ジェイン政府の初めての不動産対策である6.19発表後市場はこれ見よがしに上昇気流を継続した。
これに対し不動産投機を断絶するという政府の意思を明らかにするように、専門家たちの予想をはるかに飛び越えたじゅうたん爆撃だと呼ばれる高強度対応策が正に8.2対策だ。

前政権で景気浮揚手段に転落した政府の不動産政策が今度は投機勢力の清算、不動産価格の安定化および国民の住居便宜を増進するという信念の発露と見える。
最近‘8・2不動産対策’と関連した政府の後続措置が続いている。

国税庁は江南(カンナム)圏多住宅者[仮訳者注:複数の住宅を所有している者]と再建築アパート買受者などに対する大々的税務調査に着手したし、金融当局は投機地域と投機過熱地区以外の首都圏全域で多住宅者への貸出条件を強化することにした。

今回の対策の特徴は主に多住宅者を規制するものなどで、ソウル 江南(カンナム)圏と世宗(セジョン)市に再建築アパートを含んで家を3軒以上保有したり高価住宅を持つ未成年者を集中ねらっている。

金融圏は投機地域以外でも多住宅者が追加貸出を受ける時に住宅担保貸出比率(LTV)と総負債償還比率(DTI)を一括的に10%ポイントずつ低くすることにした。
投機地域貸出が2件以上である多住宅者が貸出を延長するには1年内に住宅一戸を処分しなければならないという条件も掲げた。

多住宅者を集中的にねらったことは投機需要による住居価格上昇を捉えてこそ安定した住居文化と実需要者の住居便宜を改善することができるという認識が強く敷かれているためだ。

政府が8・2不動産対策を出して一週間ぶりに規制地域の住居価格上昇の勢いがいっせいにくじかれた。
特に今回の対策で集中的な規制が適用されたソウルは下落傾向で後ろ向きになり直撃弾を受けた。
韓国鑑定院によればソウル アパート価格が下落したことは2016年2月29日以後1年5ヶ月ぶりだ。
関係者は”8・2対策に予想より高強度の規制が含まれて全体的に傍観傾向が深まった雰囲気だ。

最近投資需要流入で上昇幅が大きかった再建築団地を中心に急売物は増加して買受け問い合わせは消え失せるなど下落転換して全国的に先週対比上昇幅が鈍化した”と説明した。
だが、長期的効果的な対策で位置づけるかはもっと見守らなければならない事案で、現在ではその結果を予断するのには難しい。

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▲政府が8・2不動産対策を出して一週間ぶりに規制地域の住居価格上昇の勢いがいっせいにくじかれた。
特に今回の対策で集中的な規制が適用されたソウルは下落傾向で後ろ向きになり直撃弾を受けた。
韓国鑑定院によればソウル アパート価格が下落したことは2016年2月29日以後1年5ヶ月ぶりだ。
(c)ニューシス

10年前参加政府失敗と共通点

投機にまきこまれて住居価格が暴騰して、庶民大衆の‘わが家用意’が難しくなる慢性的悪循環が繰り返してはいけないという国民多数の風が起こるだろう。
一部野党圏は今回の対策を“江南(カンナム)を狙った腹いせ式ポピュリズム”と酷評したりもしたが、果たしてその結果はどのように現れるのか、目が離せない。

事実ムン・ジェイン政府の不動産政策が10余年前失敗した参加政府政策[仮訳者注:「参加政府」という名称には、国民の参加が日常化されている参加型民主主義へと発展させ、真の国民主権、市民主権の時代を開くという意味が込められている。]と似た指向を見せて不安だという見解も存在する。
キム・スヒョン大統領府社会首席は去る3日”どのような場合でもこの政府は不動産価格問題に対して絶対退かないだろう”と話した。

キム主席の話は”空が二つに分かれても私は不動産を必ず捉える”というノ・ムヒョン前大統領の確約を連想させる。
ノ・ムヒョン当時の政府は去る2005年8.31不動産対策を出す時”憲法より直しにくくさせた”ともいった。

また、キム・ヒョンミ国土交通部長官が”8.2不動産対策の特徴は家をたくさん持つ人は不便になるということ”としながら”必ず必要で生きるということでなければ売るのが良いだろう”と忠告したのも、必ず10年前である2007年当時クォン・オギュ経済副総理が”ソウル 江南(カンナム)の高価アパートを売って盆唐(プンダン)のような坪型アパートに引っ越しすれば税金を払ってもお金が残る”と警告したことと同じ脈絡だ。
ところが、盧政府がそんなに精魂を込めた不動産対策は、それから保守指向の政権下で痕跡もなく消えてしまった。

国税庁が税務調査カードを取り出したのも似ている。
去る2005年参加政府も総合不動産税施行に着手、当時企画不動産業者と多住宅者などが国税庁調査を受けた。
投機取り締まりに税制当局を動員する慣行が繰り返されている様相だ。

老後に不安を感じたあげく、不動産を財テク手段で活用しているのは現在の一般化された社会現象だ。
引退後財テクする一般投資家までも不動産投機勢力で追い込むべきかも疑問に感じる。

税金と規制強化を骨子とした8・2不動産対策で庶民層の住居安定が可能になるのか疑問という指摘が出るのもそのためであろう。
すでに住宅価格は急騰していて、ソウルを含んだ首都圏には新しい家を建てる土地も不如意だ。

首都圏過密化現象が激しくてソウルは需要に比べて供給が非常に不足する。
したがって政府規制だけで庶民中産層が耐えられるほどの水準まで価額を下げたり住居環境が良いところに供給を拡大するところには限界があるように見える。
さらに、共稼ぎなどで所得はある程度確保されているけれど使用可能資産が多くない30・40代実需要者は今回のLTVとDTI強化で家作りがさらに難しくなった。

ソウル全体を投機過熱地区として、11ヶ区を投機地域に指定することによって、この間相対的に住居価格上昇で疎外された地域ではくやしいという不平もたくさん出る。
善意の実需要者には銀行貸出の縮小と規制で家作りがさらにはるかに遠くなったという評価が出てくる大きな課題だ。
これらは8.2対策の最大被害者軍と見ることができる。

歴代政府事例…悪循環傾向多くて

近ごろ不動産市場周辺にはノ・ムヒョン政府時期を思い出させて不動産の追加上昇を占う人たちが少なくない。
当時盧政府は何と12回も不動産対策を出したが、5年間ソウル アパート価格は56%も暴騰した。
供給拡大よりは需要抑制中心政策、一貫性ない政策などが失敗理由として指摘された。

その時政府は規制を乱発したし、市場はしばらく停滞して暴騰を繰り返す悪循環現象を見せた。
問題は不動産を需要と供給という市場原理によって解こうとするのではなくかえって政府の規制と統制で解こうとするところで始まった。

文民政権の序盤期、キム・ヨンサム大統領が不動産実名制の施行方針を明らかにした時急売物があふれて不動産相場が暴落しないかという憂慮も少なくなかった。
そして不動産の担保価値が落ちて金融機関も大きい困難を経験することになることという展望だったが結果は違った。

不動産実名制以後不動産相場は徐々に下方安定して、相当期間不動産を効率的に利用することができるようにする効果が現れることもあった。
政策と実物経済の影響は時にはそんなに違うように現れた。

歴代過去政府でも強力な不動産投機抑制対策が無数に施行された。
土地投機と土地の寡占を防ぐための各種対策が毎年工夫されたが、土地所有の偏重現象や住宅普及率の不均衡が改善されたよくならなくて不動産投機を根絶するには失敗を繰り返したりした。

対策樹立過程で時を逃した場合が多かったし、関係法令の適用が厳正でなかったためという分析も出てきた。
政府の政策樹立がとても便宜的やその時その時の臨時方便的に用意されたという指摘もある。
例外規定が多ければそれが悪用される可能性に対しても細かい補完措置が完備していなければならないものだ。

第6共和国ノ・テウ政府の不動産経済混乱

第6共和国ノ・テウ政府時期は不動産混乱期であった。
90年当時一時に住居費が二倍近くに跳ね上がった。
不動産政策の間違っていたためだった。

現実的条件と副作用を考慮しないまま、賃貸期間延長など措置を急いで進行、保護しなければならない伝貰入居者にかえって不利益をあたえる現象を招いた。
性急に発表した賃貸料登録および調停制の導入までも伝貰問題をさらに難しくした。

家所有者が賃貸料登記を敬遠して伝貰中止を拒んだし、結果的に伝貰供給量がそれだけ減った。
また、当時金融実名制が実施されれば金融資産を保有することよりは不動産が有利だという判断により不動産選好現象がよみがえったこともある要因になった。

その当時不動産関連政策は伝貰・家賃値暴騰、建築材品薄と人件費急騰を自ら招来した。
ノ・テウ政権に入って不動産投機が再燃されて経済不安と危機意識が加重された。

そうなって、一角で統治権次元の不動産投機抑制対策(大統領緊急命令権発動)要求が出てくるほどであった。
年初から波動を起こした伝貰・家賃価格暴騰に続く不動産投機は私たちの社会に前例がない衝撃を与えたし、特に庶民の失望と挫折感を深化させた。

社会安定心理を下から揺さぶるような副作用を伴った。
当時の’国土総合開発計画’は長期的なビジョン提示だっただけその根幹をなす土地政策が確立されていなかったに新しい葛藤と非効率性、頻繁な計画の修正を伴わなければならなかった。

90年土地公共概念制度が本格的に実施されることになって、安定傾向を見せた不動産に再び投機が再燃、韓国経済が景気低迷とインフレが同時に進めるスタグフレーションに本格的に進入した。
不動産政策の大失敗事例として残った。

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▲住宅投機抑制にも限界があるという意見が多い。
LTV(担保認定比率) DTI(総負債償還比率)金融規制強化で家作りが難しければ賃借り需要が増加して伝貰価格が上昇するのでかえってギャップ投資を活性化させることもできるという指摘だ。
(c)ニューシス

[仮訳者注:ギャップ投資]—–
不動産ギャップ投資の例
売買価格が1億ウォン、伝貰金が9千万ウォンであるアパートがあるとします。
ギャップ投資しようとするアパート不動産購入者が該当不動産を買いとろうとするならば本来アパート売主に金1億ウォンを与えるべきです。
不動産アパート売主の立場では9千万ウォンを伝貰借家人に返還しなければならないので1億ウォンを受けても再び9千万ウォンを支払うべきです。
したがって不動産売主は不動産ギャップ投資新規購入者に1000万ウォンだけを受けて伝貰保証金支給義務を含むアパートを共に譲渡したとすればアパート売買は終わることになります。
ギャップ投資新規アパート購入者は表面的にギャップ投資でアパート買い入れに必要とされた金額は1000万ウォンになります。
ギャップ投資家は当然伝貰契約が終了すれば伝貰借家人に伝貰保証金9000万ウォンを提供しなければなりません。
ギャップ投資家は今後ギャップ投資を通じて買いとったアパート価格が上昇する場合、再びギャップ投資を通じて買いとったアパートを売り渡してこれを通じて相場差益を得ることになります。
ギャップ投資はこのように負債を含んだ不動産を譲渡して実際必要とされる現金額を減らして投資する不動産投資方法になります。
ギャップ投資は不動産価格急上昇時期には比較的に少ない実投資金でも相場差益を通じて不動産投資収益を出すことができます。
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市中流動資金豊富…中.長期展望に徹底を

今回の文政府8.2不動産対策の場合、その場は取引が切れて住居価格が下方安定するだろうが、中長期的に住居価格急騰が避けられないというのが多数専門家たちの分析だ。
供給拡大対策が一部含まれたりしたが市場需要に非常に至らないので中長期的に市場を安定化させるのに力不足というものだ。
投機需要に劣らないように低金利による豊富な流動性が不動産に待機しているためだ。
専門家たちは税制と契約、取引市場全般にわたって投機需要抑制策を出したので最近住居価格が急騰したソウルなど首都圏で一応市場を安定させる効果があると見た。

一時的に住宅取引が停滞される申込競争率が低くなることができるということだ。
ただし、譲渡税強化や再建築・再開発組合員譲渡禁止などの規制はかえって供給を縮小させるという指摘が出る。

また、譲渡税が強化されても既存多住宅者などが売却を先送りしたまま継続保有する可能性も高い。
保有税引き上げがないので保有に対する負担が変わりはないからである。

また、組合員地位譲渡禁止で再建築超過利益還収制負担を抱え込むことになった再建築対象アパートの現組合員は再建築を延期することもおきる。
これは全部住宅供給を減らす結果を持ってくるので中長期的に副作用が大きい。

低金利状況で市中資金が不動産市場他投資先を探すのが容易でない状況も重大な変数だ。
ひとまず需要者が取引を止めて市場を観望するだろうがいつでもまた戻ることができるというのが問題だ。

人為的に需要を押さえ込めば後ほどかえって市場がさらに急に上昇することができるということだ。
住宅投機抑制にも限界があるという意見が多い。

LTV(担保認定比率) DTI(総負債償還比率)金融規制強化で家作りが難しければ賃借り需要が増加して伝貰価格が上昇するのでかえってギャップ投資を活性化させることもできるという指摘だ。

需要が規制地域を離れて近隣他の所に移していくいわゆる‘風船効果’も必ず遮断されなければならない大きな課題と言及される。
‘8・2対策’発表翌日、1順位申込を受け付けた釜山(プサン)西区(ソグ)のあるアパートは平均競争率が250対1を越えたし、世宗(セジョン)市が投機地域などで縛られて近隣大田(テジョン)儒城区(ユソング)のあるアパートは平均58対1の競争率で1順位申込を締め切ったりもしたという便りも聞こえる。

上昇の勢いがこの間相対的に低かった城南(ソンナム)、盆唐(プンダン)など新都市と京畿・仁川(インチョン)まで広がる様相だ。
ソウルの住宅供給が不足した状況でソウル全域を投機過熱地区に指定すれば京畿道(キョンギド)や仁川(インチョン)の住宅価格が沸き上がるほかはないということだ。

ソウルと近い京畿道(キョンギド)地域に投資需要が集まって規制対象から除外された既存分譲権価格もさらに上がることができるという診断が出てくる。
市中流動資金が豊富なのでこれら資金は必ず代替投資処を探して行くほかはない。

政府姿勢重要…政策信頼確保されてこそ

専門家たちは不動産価格急騰の原因を政府が思い違いしているのが最も深刻な問題だと指摘した。
最近住居価格が上がったことは低金利にともなう豊富な流動資金のためなのに単に投機需要のために住居価格が上がったと診断したことは誤った判断というものだ。

その上に特に江南(カンナム)住居価格が高いのは学区など教育環境と生活便宜インフラ、漢江(ハンガン)開発による眺望権などより良い住居環境で需要が集中するためであると人為的に住居価格を押さえ込むのは不可能だと強調する。

これと共に建設会社の競争的な高価分譲も天文学的な不動産相場形成を招いて分譲価格上限制の基準修正も切実な状況だ。
現在の不動産の尋常でない動きは私たちの経済社会の色々な複合的要因も一役買う。

自由市場体制で使用取引対象者土地家屋の売買で公権力で投機を完全除去することは不可能だ。
政府の対策が投機それ自体にだけ焦点を合わせて、物理的な対症療法で臨む限り、これを解消することにはならない。

お金の流れを正すと同時に物価を安定させて不動資金が経済発展のための’正常道’に入ってくるようにしなければならない。
一律的な規制でやっと我が家を用意した庶民が鬱憤に充ちた被害を被らないようにすることも見過ごされてはいけない部門だ。

このような困難を克服するところは経済政策の施行で安定原則を守ることだ。
マクロ経済的に物価安定および通貨管理に努力しなければならない。

通貨供給が放漫で物価が跳ね上がれば不動産相場が上がって投機を助長するはずだ。
そして不動産相場が高ければ再び物価上昇を刺激することになる。

ソウルや東京の物価が世界的に高いのも高価な不動産相場のせいが大きい。
政府自らの姿勢も重要だ。
予算執行で緊縮基調を維持する一方政策の信頼性回復のためにひとまず決めた政策は一貫して推進しなければならない。

特に、経済は政治および社会問題と相互関連性が深い有機的性格を持っている。
不安定国の経済波紋も留意しなければならない大きな課題だ。

政局不安から来る投資心理の萎縮など経済に及ぼす影響も見過ごされてはいけない。
与野党を問わず、一貫性ある基調で国民や企業家が安定的に経済活動を準備して出て行けるように環境を提供しなければならない。

政治的人気のために市場経済論理を政治論理化する事例は止揚されなければならないだろう。

イ・ビョンドは…
1952年慶南(キョンナム)晋陽で出生、西江(ソガン)大新聞放送学科を卒業した後1979年東洋通信記者で言論界に入門した後1981年聯合ニュースへ席を移して政治部野党出入り記者で永らく活動してきた。
著書では、<第6共和国解除>、<97年大統領選挙最後の勝者は>などがある。
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【出典】韓国/時事今日、時事ON
http://www.sisaon.co.kr/news/articleView.html?idxno=61292

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Author: hasegawa

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