【韓国】国土交通部の登記報酬割引広報の違法性

国土交通部の登記報酬割引広報の違法性
キム・テヨン法務士(ソウル中央地方法務士会)
入力:2016-10-13 午前11:05:44

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1.はじめに ‘不動産電子契約システム’,誰のための政策か?

国土交通部は2016年6月28日不動産電子契約システムのソウル全地域施行を控えて法務法人ハンウル、韓国貿易情報通信(KTNET)と業務協約を結んで’電子契約システムで不動産契約を締結すれば登記手数料30%を割引してくれる’という報道資料を出した。

不動産電子契約システムは国土交通部が2015年4年間154億ウォンが必要とされる’不動産取引統合支援システム構築事業’を着手して野心に充ちるように進行されたが、瑞草区(ソチョグ)モデル事業の実績は6ヶ月間ただ3件に過ぎなかった。
その上3件中1件は該当システム開発者の親戚が利用したもので残りの2件は同一人が利用した。

すると国土交通部はこれを打開するためにとんでもない特定業者と協約を結んで不動産電子契約システムを利用すれば特定業者が登記報酬料を割引するという大々的な広報をしている。
公認仲介士の監督機関である国土交通部が大法院の権限で定めた法務士報酬を比較して恣意的に30%割引すると広報する行為は法院の業務分野に関与したもので国家機関間の権限の範囲を侵したのだ。

また、国土交通部が構築した’不動産電子契約システム’の利用権限をただ公認仲介士にだけ与えているのは実際の不動産取引の50%を越える事件が公認仲介士なしで成り立っている現実を無視するもので実効性が落ちるほかはなくて果たして誰のための政策なのかを疑うようになる。

本文ではこのような国土部の登記報酬割引広報の違法性と電子契約システム利用権限付与の不当性を指摘して、国土部の登記保守割引政策の撤回と不動産取引システム関連政策のタイムリーな是正を促そうと思う。

2.国土部登記報酬割引広報の違法性

가.’法院組織法’違反

法務士の監督機関は大法院で法務士報酬は大法院の認可事項だ。
政府や地方自治体のように行政機関が行う事務など国家行政事務の体系的で能率的な実行のために国家行政機関の設置、組織と職務範囲の概要を定めた’政府組織法’があって、司法権を行使する法院の組織を定めた’法院組織法’がある。

法院は’登記および法務士に関する事務’を管掌、監督して(法院組織法第2条第3項),法院行政処は’登記および法務士に関する事務’を掌握する(同法第19条第2項)で規定して登記と法務士に関する事務は法院の’司法行政事務のうちの一部’として裁判所に固有な業務分野だ。

そして’不動産登記法’上登記申請の代理行為ができる代理人の資格は法務士と弁護士に限定されるので(同法第24条第1項第1号ただし書)国土交通部所属公務員は法院組織法および政府組織法上不動産登記に関連した業務には一切関与することはできない。

それでも国土交通部が法院組織法上法院の管掌事務である登記および法務士に関連した不動産登記事件の法務士報酬に関連した問題(法務士報酬額の減額関連事項)を取り扱って物議を引き起こした行為は法院と国土交通部の権限争議を誘発する自明な違法行為だ。

나.特定業者特典行為

しかも、国土交通部はホームページを通じて特定業者を摘示してこれら業者が登記手数料割引恩恵を与える業者で国土交通部の法務代理人だと広報している。
このように特定企業等だけ国土交通部電子契約システム法務代理人だと紹介するのは中央行政機関が特定私企業の独占的地位を保障して市場をかく乱させる行為をしたもので、電子契約システムを通した電子登記過程で特定業者に対して競争優位に立てられる端緒を提供していることとして事実上特典に違わない行為である。

国土交通部は電子契約システム活性化にだけ汲々としたあげく登記報酬を割引するという一部業者の提案に対して該当業者がどんな形態で登記業務を遂行しているのかなど詳細情報もなしでこれを無分別に受け入れて、不動産電子契約にともなう電子登記申請代行(委任)業務に参加しようとする法務代理人は必ず登記手数料を割引しなければならないという条件まで付けてこれを広報するなど登記業務の難易度と関連なしで割引を強制する役割をしていて結局健全な市場秩序をかく乱させる行為をしたのだ。

これに対し法務士は’国土交通部電子契約システム是正法務士対策委員会’を結成して監査院に国土交通部のこのような中央行政機関としての違法で不当な事務処理をしたことに対して法務士など1452人の請求人の連名で公益監査請求書を提出した。

国土交通部は電子契約システムで電子登記ができるのは特定業者に限定されたものではないということを明確にして、特定業者との協約を直ちに撤回しなければならないだろう。
また、以後にも電子契約システムの活性化という名分で関与する権限がない法務士の登記報酬に対する無分別な言及を禁止しなければならないだろう。

3.国土部電子契約システム利用権限付与の不当性

国土交通部は現在の不動産電子契約システム利用権限を公認仲介士にだけ与えている。
電子契約システムを利用する不動産取引は公認仲介士を通じてこそ可能だ。
したがって当事者同士で不動産を直取引したり公認仲介士なしで弁護士や法務士の諮問を受けて不動産を取引した者はこのシステムを利用できない。
しかし、試験運営地域である瑞草区(ソチョグ)の場合、不動産取引の半分以上が公認仲介士を通じないでなされている。

2014年瑞草区(ソチョグ)の不動産総実取引件数は198万件余りなのにこの中54.5%に該当する108万件余りが公認仲介士なしで取り引きされた。
半分以上の不動産取引が公認仲介士なしでなされているのにもこのような政策を行うのは国土部が公認仲介士を除いた残りの者を政策的に差別することだ。
すなわち、既存不動産取引きは代理人を含んだ誰でも可能だが、このシステムを通した契約はただ公認仲介士だけ可能だ。

このために国民に便宜を提供しようと数十億ウォンを入れた国土交通部の不動産取引電子契約システムが実効性が落ちるところに、公認仲介士だけのための政策に転落したという批判を受けているものだ。
政府は企業ではないので効率性と便利性を問い詰めて特定集団のための政策を展開するより国民の財産権を安定的に保障しようとするのに焦点を合わせなければならない。

一般国民は全財産ともいうべき不動産取引で発生しうる不安感を解消するために公認仲介士でない他の専門資格社の助けもたくさん受けている。
このような現実を勘案して他職域専門家や取引当事者である一般国民も電子契約システムを利用することができるようにしなければならない。

4.結び-国土部の即刻是正を促す!

法務士報酬は大法院の認可事項であり公認仲介士の監督機関である国土交通部が特定業者を’不動産電子契約にともなう不動産登記申請業務を代行して登記手数料割引サービスを提供する法務代理人’のように広報しているのはそれ自体で中央行政機関の違法で不当な事務処理だ。

国土交通部は一部特定業者と一般的な協力関係を表示する程度の内容で協約を締結したとするが、実質は電子契約システムを通した電子登記過程で彼らが競争優位に立てられる端緒を提供することによって特定私企業の独占的地位を保障して憲法が規定する経済民主化に反する政策を推進したもので直ちに是正されなければならない。

また、国土交通部が公認仲介士を除いた取引当事者、弁護士と法務士に電子契約書作成権および電子契約システムへの接近権ないし利用権を許容しないならば、これは不動産登記法が定める資格者代理人の登記申請代理権の侵害を通じて職業実行の基本権を侵害するということなだけでなく憲法上国民に保障された平等権を侵害するものだ。

国土交通部が電子契約システムによって達成しようとする政策の主な焦点が’不動産取引合意締結、登記、税務業務処理において統合的な支援’にあることが明らかにも関わらず、取引当事者である売渡人と 買受人・法務士と弁護士に電子契約システムに対する接近権を付与していないのは政策の一貫性ないし整合性を喪失したこととして即刻是正を望む。