環太平洋諸国(日・韓・中・米・豪)における外国判決の承認・執行の現状

image_printPrint

環太平洋諸国(日・韓・中・米・豪)における外国判決の承認・執行の現状
慶応義塾大学法科大学院教授・弁護士 増田晋 編著
(別冊NBL/No.145 商事法務 2014年1月刊)

本書は、「はしがき」によれば2012年秋学期に慶応義塾大学法科大学院において開講された「未来先導チェアシップ講座」の記録です。
この講座の目的は、アメリカ・中国・韓国・オーストラリアの大学法学部又はロースクールの著名な教授を招聘し、これに日本を加えた5カ国の外国判決の承認・失効制度を整理し、現状での国際協調の達成度を確認するという点にあったようです。

本書は、講義録で、同講座での講義を通訳の和訳を基に編者の責任で編集したものとのことです。また、招聘教授が講義の予習用として準備されたものを和訳して資料として掲載されています。

資料部分は、いわば論文ですが、講義録は話し言葉でかかれており、講義ならではの具体例などが豊富で興味深く読めます。ただし、内容は結構難しいものがあります。しかし、たとえば日韓でまさに今よく問題となる戦前の企業に対する賠償請求訴訟などの問題にも触れられていて、現状理解にも繋がります。

外国判決の承認執行

目次部分を掲載します。

第1部 韓国
 第1章 講義録
  Ⅰ はじめに
  Ⅱ 外国判決の承認・失効制度の意義と機能
   1 最近の韓国の裁判例
   2 外国判決の承認・執行の機能
   3 直接管轄と間接管轄
   4 承認と執行の関係
   5 対日本と対中国との関係
  Ⅲ 外国判決の承認・執行の法的枠組と各要件の解釈等
   1 法的枠組の説明
   2 外国裁判所の確定判決
   3 国際裁判管轄
   4 送達及び応訴
   5 公序則
   6 相互保証
   7 その他の論点
  Ⅳ 国際的訴訟競合との関係
  Ⅴ 承認の手続
  Ⅵ 執行の手続
  Ⅶ まとめ
 第2章 資料
 大韓民国での外国裁判の承認及び執行
  Ⅰ はじめに
  Ⅱ 承認及び執行の根拠
  Ⅲ 承認の要件
   1 承認可能な裁判
   2 裁判権の存在
   3 国際裁判管轄の存在
   4 送達を受けたこと
   5 公序に反しないこと
   6 相互保証の存在
   7 準拠法要件
  Ⅳ 承認の手続
   1 自動的承認
   2 確認の訴え
  Ⅴ 承認の効力
   1 既判力(res judicata effect)
   2 その他の効力
   3 部分承認(または一部承認)の問題
  Ⅵ 外国判決の執行
   1 承認と執行の分離
   2 執行判決
   3 執行手続
   4 執行権原の補充
  Ⅶ 外国判決の変更
   1 意義
   2 法的性質
   3 要件
   4 裁判手続
  Ⅷ 国際的な協力の必要性
  Ⅸ 結語

第2部 中国
 第1章 講義録
 第2章 資料

第3部 アメリカ
 第1章 講義録
 第2章 資料

第4部 オーストラリア
 第1章 講義録
 第2章 資料

第5部 日本・本講座のまとめ
 第1章 講義録
  Ⅰ 本講座の紹介
   1 慶応義塾大学の未来先導チェアシップ講座
   2 国際的紛争を解決する難しさ
   3 本講座の目的
  Ⅱ 外国判決の承認・執行に関する日本の法制度の概要
   1 法制度の必要性
   2 承認と執行の違い
   3 再審理の禁止
  Ⅲ 外国判決の承認・執行の要件(民事訴訟法118条各号の解釈論)
   1 最高裁判所平成10年4月28日判決(民集52巻3号853頁)
   2 外国判決の承認・執行に関する最近の判決
  Ⅳ 本講座のまとめ
   1 外国判決の承認・執行制度の比較
   2 外国判決の承認・執行の調和の試み
 第2章
  Ⅰ 最三判平成10・4・28民集52巻3号853号
  Ⅱ 横浜地判平成11・3・30判時1696号120頁
  Ⅲ 東京地八王子支判平成9・12・8判タ976号235頁
  Ⅳ 最二判平成9・7・11民集51巻6号2573頁
  Ⅴ 東京家判平成19・9・11判時1995号114頁
  Ⅵ 大阪高判平成15・4・9判時1841号111頁

こちらの記事もどうぞ:

    None Found

image_printPrint

Author: hasegawa

コメントを残す