【韓国】[キム・ピョンピルの未来を尋ねる] 4次産業革命が誕生させた‘半額法律業務’

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[キム・ピョンピルの未来を尋ねる] 4次産業革命が誕生させた‘半額法律業務’
[中央日報]入力2020.03.02 00:21

リーガル テック(legal tech)時代

Justice theme with hand pressing a button on a technology screen;Shutterstock ID 1452654242;プロジェクト:中央日報紙面;担当者:デザインデスク

中世英国には‘決闘裁判’制度があった。
原告と被告が各自選んだ闘士が決闘して裁判結果を決める方式だ。未開な中世時代の遺物のように見られるが、必ずそうでもない。本来法廷は証拠で誰の主張が正しいのか決める所だ。だが、記録文化が発達しなかった中世には正しくなされた証拠だとするに値するものがなかった。証拠による裁判が不可能な状況で苦肉の策で発展したのが決闘裁判だったと理解することもできよう。どうせ証拠がないならば、神が決めた決闘の結果により判決することが公正に見えたかも知れない。

法・技術結合したリーガル テック企業
アメリカで一年2兆ウォン投資集まって
人工知能が法体系変えることも
法・工学融合した学問導入しなければ

現代に至って証拠があふれる社会になった。変化をよく見せる事例が実子確認訴訟だ。過去遺伝子検査が不可能だった時期には父親確認は本当に難しいことだった。関連者の陳述と情況を根拠に父親なのかそうでないのかを決めなければならなかった判事はそれこそ堪え難かっただろう。

今や遺伝子検査を通じて容易に当事者主張の真偽を決めることができて、比較的簡単な訴訟になってしまった。

新技術導入、ローファーム生存のカギ

このように技術の発展は訴訟制度に劇的な変化をもたらすことができる。コンピュータ時代をむかえて電子記録で訴訟することになった。この頃訴訟で最も多く使う証拠はeメール、携帯電話メッセージ、CCTV映像など電子証拠だ。私たちの法院は世界で先導的にすべての訴訟書類を電子ファイルで提出することができるようにする電子訴訟制度を施行していたりもする。よく司法府が最も保守的であるところだといって話すが、巨大な技術変化の流れにより共に進化しているわけだ。

4次産業革命は今後訴訟制度にいかなる影響を及ぼそうか。訴訟だけでなく契約関係や各種規制など司法システム全般に変化をもたらしはしないだろうか。兆しが見える。法律分野に新技術を組み合わせようとする試みを‘リーガル テック(legal tech)’という。

アメリカでは2018年一年の間リーガル テック企業に対する投資が合計2兆ウォンに達するほど市場規模が成長した。2018年‘リーガル ズーム(Legal Zoom)’は5億ドル(6000億ウォン)新規投資を誘致した。リーガル ズームはオンラインで契約書や遺言状など法律文書の草案を提供するサービスから始まって法人の設立、知識財産権登録、契約書検討に至るまで拡大している。

特に人工知能(AI)を利用して利用者に適合した契約書草案を提供して検討してくれる。オンライン サービスに対して月定額利用料だけ払うので企業の立場として法務費用削減効果が大きい。リーガル テック企業の成長を見守ってローファームの認識も変わる姿だ。

新技術導入を実験的に考慮した段階で、今は新技術を導入しなければ生き残りにくいと考える。請求書作成や事件管理など単純な作業から抜け出して法令リサーチ、法律分析、遵法監視など多様な分野で活用領域を早く広めていっている。

サンフランシスコにはいわゆる‘半額’法律業務業者が登場して成長を繰り返している。個人や中小企業がよく体験する定形化されて反復的な法律質問に対する返事をデータベースで構築して、オンラインで法律諮問を提供することによって業務効率を上げたおかげだ。

リーガル テックの将来を明るく見る見解は新技術導入の効果がただ法律業務が安くなるのに終わらないことと見る。司法制度がさらに根本的に変わると展望するが、特に法律の制定と執行、契約の締結と履行過程がコンピュータ プログラムで代替されることと予想する。

世の中が複雑になって法律も複雑になっている。ハムラビ法典には合計282個の規則があっただけだ。今日の政府規制は金融・会計・寡占・環境・建築・安全・保健・消費者保護・差別禁止など広範囲な分野にわたっている。あまりにも規制が複雑だと見えて、関連業務を長く担当した専門家もどんな状況にどんな規制が適用されるのか答えにくい場合も多くなった。

複雑性を解決する方法の一つは規制内容をコンピュータ プログラム化することだ。例えば企業の業務処理電算システムに法規制をコード化して統合することもできる。もし電算システム上で会社担当者が法令が定めた範囲内だけで業務処理が可能になっているならば、失敗や規制を破る場合を防げる。

自動車に安全ベルトを締めて初めて出発できるように設置しておけば安全ベルトを取り締まる必要がなくなるのと同じ論理だ。未来には法制処がコンピュータ プログラマーを雇用して、法を制定するときにコンピュータ プログラム コードも共に配布する日がくるかも知れない。

おそい韓国のリーガル テック革新

法律をコンピュータ プログラム化できるならば、契約も同じだ。近い将来契約もプログラムで代替される可能性が高い。ソフトウェア形態で締結されて自動で実行される契約を‘スマート契約’と呼ぶ。最近ブロックチェーン技術を活用してスマート契約の安全性が高まって今一度関心を集めている。

アメリカでは電子契約サービス業者ドキュサイン(DocuSign)が注目されている。企業が紙書類に署名する必要なく安全にオンラインで契約を締結することができるようにしてくれる。契約書の紛失、偽・変造危険も事実上なくなり、契約管理業務も簡素化される。昨年3月上場当時ドキュサインの企業価値は44億ドル(5兆ウォン)と評価された。

このように法律業務の革新が早く進行しているが、我が国はリーガル テック革新がおそい。ベンチマーキングするほどの良い事例はアメリカ スタンフォード大ロースクールだ。2008年コンピュータ工学部と共同で法律情報学センターであるコデックス(CodeX)を設立した。法学者とコンピュータ工学者間に協業を通じて新しいアイディアを導き出して実験してみる空間として位置づけている。

我が国でも法学とコンピュータ工学間クロスオーバーがなされることができる方法工学研究所あるいは法工学大学院設置を考慮してみる方が良い。判事・検査・弁護士らとコンピュータ工学者などが共にリーガル テック発展のために協業する未来を想像してみる。

‘人間弁護士の終末’来るか
人工知能弁護士時代がくるという展望が多い。人工知能が契約書も検討して、訴訟書類草案も作成するので人間弁護士が立つ場所がますますなくなって行くことだという。英国大法院IT諮問委員であるリチャード ソスキンドゥ博士は2008年“弁護士の終末が来る”と予想したことがある。ソスキンドゥ博士は弁護士が裁断師のような道を歩くことになるだろうと展望する。

以前には洋服を裁断師から直接合わせて着たがもうほとんどの工場で生産された既製服を着るように、未来には大多数の国民がIT法律企業が提供する‘既成’法律業務ソフトウェアを活用して、少数だけが人間弁護士の‘プレミアム’サービスを受けることになるということだ。

人工知能技術が早く発展するならば変化が加速化することもおきる。現業弁護士もこのような展望に同意しようか?少なくとも10~20年内近い未来には大きい変化が起きないことと見るようだ。事務補助職員の単純反復作業は効率化・自動化されることができても、弁護士本来の業務は戦略的思考、熟練した経験とノウハウが必要だから人工知能が遂行しにくいという主張だ。これを後押しする研究もある。

2016年アメリカ、ノースカロライナ大学ロースクール教授がMIT教授とともにアメリカ ローファーム弁護士の業務日誌を分析した結果、短期間内に人工知能によって代替される可能性がある業務は5%もまだならないと結論付けた。

未来の技術変化を簡単に断定してはいけないが、現在としては行く道が遠いわけだ。かえってリーガル テックが弁護士市場のパイをさらに育てるという展望も提示される。従来高い弁護士費用のために法律業務から疎外された階層にまでサービスが拡大して市場がもっと大きくなることもある。

現在リーガル テックの主な顧客層が個人事業者や中小企業人点を考慮すれば一理ある。もちろんもっと大きくなった市場の‘パイ’を弁護士でなくリーガル テック企業が持っていくことも可能だ。リーガル テック発展の恩恵を誰が得ることになることなのかは相変らず未知数だ。

キム・ピョンピル教授
ソウル大で電気工学を専攻してプログラマーで仕事をして弁護士になった。現在KAIST[仮訳者注:韓国科学技術院:Korea Advanced Institute of Science and Technology]技術経営学部で法律人工知能、そして人工知能に関連した法制度と規制に関し研究している。韓国人工知能法学会理事を受け持っている。

[出処:中央日報] [キム・ピョンピルの未来を尋ねる] 4次産業革命が誕生させた‘半額法律業務’

【出典】韓国/中央日報
https://news.joins.com/article/23719329

[仮訳者注]
本記事は、韓国/中央日報Webサイトに掲載の記事を、仮訳者において学術研究目的のため、日本語に仮訳したものです。

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Author: hasegawa

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