【韓国】日本の遺言書保管制度新設を契機とする遺言登録簿制度の具体的提案

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日本の遺言書保管制度新設を契機とする遺言登録簿制度の具体的提案
オ・ビョンチョル教授(延世大ロースクール) 入力:2020-01-06午前11:27:28

Ⅰ.序論
被相続人に遺言が存在するのかの可否は相続人や受遺者になる者にとって大変重要な問題だ。しかし遺言の存在が事後にこれらに必ず公開されると保障することはできない。もし被相続人に遺言が存在する事実を知らないまま共同相続人が相続手続きを進めて相続財産の協議分割を終えてこれを第三者に処分したが、これと相反する内容の遺言が後日発見されたとすればこの混乱を法的にどのように整理しなければならないのかはかなり難しい問題だ。

日本も遺言(流言)の存在が事後不明確な問題点は同じだった。これを解決するために2018年民事特別法で新しい法律を制定した。遺言の公的保管のための’法務局における遺言書の保管等に関する法律(法務局における遺言書の保管等に関する法律平成30年7月13日法律第73;以下遺言保管法)’がそれだ。日本のこの特別法は我が国にも意味ある示唆する点を提供することができるはずだ。

Ⅱ.日本の遺言書保管制度の分析
1.肯定的評価
日本の遺言書保管制度は次のとおりの点で肯定的に評価される。最初は自筆証書遺言を国家機関である法務局の遺言書保管所という公的な機関で保管することができるようになった。

二番目に遺言書保管所が遺言者の自筆証書を引き受けて保管して受付時点で遺言書イメージ ファイルを生成して保存してこれを保管された自筆証書と対照することによって自筆証書の完全性を確認することができる。

三番目で遺言書存在の客観的証明だ。最後に遺言書の保管申請から遺言書の廃棄に至るすべての手続きと過程を秩序正しく体系化した。

日本の遺言書保管制度は単純に遺言書を保管するのに終わらないで’遺言書に関する情報’という遺言書のメタデータ ファイルを作成する点に特徴がある。電子的な方法でデジタル情報を生成して遺言書とともに保管して遺言書の保管事実に対する質問に回答ができる中間的な連結の輪の役割を’遺言書に関する情報’というメタデータが遂行している。また、遺言書保管事実証明書と遺言書情報証明書を導入しているのも適切だと評価することができる。

2.問題点
上のような長所にもかかわらず、日本の遺言書保管制度は次のような多数の問題点がある。

第一に誰にでも公平な人的管轄があるにも関わらず人ごとに範囲が変わる物的管轄を別に認める点は理解し難い。二番目で遺言書に関する情報に遺言によって指定された未成年後見人が現れていないように遺言書に関する情報の記載項目が多少不十分だ。三番目で遺言書保管事実証明書は遺言書情報証明書の発行や遺言書を閲覧するための前段階に過ぎないがあえてこれを別途の証明書制度で運営する必要があるのかは疑問だ。四番目で遺言が存在するという事実を能動的に通知する制度がなくて遺言書保管制度にもかかわらず、遺言の存在があらわれない危険が相変らず存在する。最後に遺言書を相続人に返還する規定を置いていない。

このような問題点を補完して私たちの法制に適合した遺言書保管制度を考案する必要があるだろう。

Ⅲ.我が国の遺言書保管制度提案
1.遺言証書の保管
我が国は司法府である法院で家族関係登録業務を担当しているので遺言証書の保管業務も家庭法院が遂行しなければならないだろう。

自筆証書、録音、公正証書、秘密証書と口受証書の5種の遺言中自筆証書は遺言の成立に証人が介入しないので遺言の存在が遺言者以外の人には知らされない危険があるので遺言の公的保管の必要性が高い。

録音と秘密証書には証人が介入するので自筆証書ほどは公的保管が切実ではないけれど証人が遺言者より先に死亡する可能性もあって証人が生存しているといっても必ず遺言の存在が公開されるという保障があるものでもない。したがって録音や秘密証書の場合も保管することができるように含ませることが望ましい。ただし公正証書と口受証書は公的に保管する必要がないだろう。

遺言証書の保管申請は完全性を担保するために必ず遺言者が直接訪問して遺言保管申請書を作成して遺言証書とともに提出して受け付けさせなければならない。もし代理人や使者を通じて提出することを許容するならば遺言者から受け取り、法院に申請受け付ける途中で遺言証書が変造される危険があるためだ。

2.遺言登録簿
遺言証書の保管申請を受理すればこれと関連した事項を記載する公簿として遺言登録簿を置く。

遺言登録簿は遺言に関連した一種のメタデータで遺言に関連した重要な事項を記載しておいてこれを通じて遺言の存在を確認してまた、遺言者の死後に一定の人に遺言の存在を通知する機能をすることになる。

遺言登録簿には次のような事項を記録することが必要だ。まず遺言の作成と保管に関する事項として①遺言者の人的事項②遺言証書の作成日付③保管申請日付④遺言書を保管している法院と保管番号を必ず記録しなければならないだろう。遺言の内容に関連した事項として遺言証書に明示されている⑤受遺者の人的事項⑥遺言執行者の人的事項⑦未成年者後見人の人的事項を必ず記録しなければならないだろう。

これらの者は相続人以外の遺言の存在と直接的な利害関係がある者であるから遺言保管証明書の発行申請や遺言証書の閲覧を請求することができる。ただし遺言の内容を把握することはできない録音や秘密証書の場合には遺言の内容に関連した事項は記載しない。

任意的な記録事項として遺言者が希望する場合には遺言証書保管事実の通知や遺言証書の返還のために⑧遺言証書保管事実を通知される者⑨遺言証書を返還される者を記載できるはずだ。

3.遺言証書の電子化文書
遺言登録簿の作成と同時に自筆証書はスキャンして電子化文書を生成してこれをファイルで保存しなければならない。自筆証書を電子化文書で生成することによって遺言証書の保管時点以後完全性を担保することができる。

しかし録音は紙文書で作成されたものではないのでこれを電子化文書で生成するのは不可能で遺言登録簿の作成と同時に録音の複製ファイルを生成する方法を採択しなければならないだろう。秘密証書の場合には厳封捺印されていてそれ自体で完全性が保障されるので遺言登録簿作成時点に電子化文書に変換して生成することは必要ではない。

4.遺言証書保管の効力
遺言証書保管は遺言の有効な成立とは何の関係もなくて単に遺言の存在を公的に確認することができる機会を提供することに過ぎない。保管申請時点に形式的な審査を経て完全性が確保された状態で保管されている遺言証書は検認が必要でないだろう。

遺言登録簿に記載されて公的に保管されない遺言でも民法が定める成立要件を備えたとすれば法律上遺言として有効に成立するということはもちろんだ。

遺言登録簿に記載されて公的に保管された遺言証書があるにも関わらず民法上成立要件を完全に備えたまた他の遺言が存在する場合を予想して見ることができる。

この場合には二つの遺言全部が有効だが民法第1109条が適用されて前後の遺言が抵触する場合には抵触した部分の前遺言はこれを撤回したものと見なされる。遺言者は保管された遺言証書をいつでも回収するべきだ。遺言証書を回収したといってその理由だけで遺言が撤回されたこととして扱われてはならず遺言証書保管の効力だけを消滅させるだけだ。

5.遺言証書保管の問い合わせと通知
遺言証書保管制度の趣旨を生かすためには’誰でも’、’自身と関係ある’内容の遺言を’死亡した特定人’が保管させたことがあるかを家庭法院に問い合わせするべきだ。

死亡した者が自身と関係ある遺言を保管させたという事実を確認した者は遺言保管証明書の発行を要請できて遺言証書の閲覧および写本の交付を申請することができる。

また、遺言者が遺言証書の保管を申請して保管事実を通知される者を指定した場合には家庭法院が遺言者が死亡した事実を認知すれば遅滞なしにその者に通知しなければならない。

遺言者が遺言証書の保管事実を通知される者を指定しない場合には家族関係登録簿上に現れた相続人に遺言証書の保管事実を通知して、また、受遺者や遺言執行者がいる場合にはその者にも遺言証書の保管事実を通知しなければならないだろう。

6.遺言証書の返還
遺言保管の目的を達成した後、すなわち遺言証書の閲覧または写本が交付された以後にはいつでも遺言証書を返還することができるようにすることが望ましい。

遺言で遺言証書の帰属を指定したとすれば一種の特定的遺贈としてその受遺者が遺言証書の返還請求権者となる。遺言証書の帰属を指定しなかったとすれば相続人が遺言証書の返還を請求できて、もし相続人が数人ならば必ず共同で返還請求をしなければならないだろう。

Ⅳ.結論
個人の遺言証書を家庭法院が保管しておいて遺言者の死亡以後に利害関係者がこれを確認できるようにする遺言の保管制度を導入することによって遺言者の死後に遺言の存在が知らされなくて生じることがある問題点を事前に予防できると期待する。

オ・ビョンチョル教授(延世(ヨンセ)大ロースクール)

【出典】韓国/法律新聞
https://www.lawtimes.co.kr/Legal-Info/Legal-Info-View?serial=158480%MCEPASTEBIN%

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Author: hasegawa