【韓国】不動産電子契約、紙より安全だが… 100人中99人が使わない

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[公共サービス アップグレード1.0] <36>低い認知度・取り引き情報流出憂慮に…電子契約システム‘有名無実’

入力:2019-04-23 23:06 |修正:2019-04-24 03:13

グラフィック キム・イェウォン記者 yean811@seoul.co.kr

会社員A(32)さんは伝貰[仮訳者注:チョンセ]契約を延長することに決めて不動産仲介業者に不動産電子契約システムに対して尋ねた。

頻繁な出張で家主と契約書作成時間を合わせにくかったところに電子契約システムを利用すれば仲介業者を訪問しなくても契約を締結することができると聞いたためである。
しかし仲介業者は“賃貸人が電子契約システムを分からない”として仲介業者に向かい合って座って紙契約書に印鑑を押す既存方式を守った。

不動産取引の便利性と透明性を高めるために導入された不動産電子契約システムが有名無実になる危機に処した。

2016年5月ソウル、瑞草区(ソチョグ)試験運営を始め昨年8月から全国で拡大した電子契約システムの利用実績は1%にも達し得ない実情である。

電子契約システムは紙や印鑑がなくてもオンライン署名で不動産売買・賃貸借契約を締結して、契約書類を公認された文書保管センターに保管する不動産取引システムである。
共に民主党キム・ヨンジン議員が23日韓国鑑定院から受けた資料によれば昨年全体不動産取引361万 5160件の中で電子契約は2万 7759件に過ぎなかった。
2016年0.227%に終わった活用率は2017年0.278%に続き昨年0.768%で現れた。

電子契約の最も大きい長所としては便利性が挙げられる。
実取引価格申告、確定日時付与などが自動で処理されて取引当事者の煩わしさを減らす。

不動産売買取引当事者または仲介業者は契約締結日から60日中に地方自治体に実取引価額を申告しなければならないが、電子契約を利用すれば自動で申告される。
実取引価格申告を漏らして過怠金を支払う心配をしなくても良い。

伝・月貰[仮訳者注:「伝貰」(チョンセ)・月貰(ウォルセ)のこと。月貰は、日本における賃貸借同様、毎月家賃を支払う形態]など賃貸借契約ではオンライン上で確定日付を申請・交付できて賃借人が住民センターを直接訪問しなくても良い。

昨年9月ソウル、永登浦区(ヨンドンポク)幸福住宅に入居してソウル住宅都市工事(SH)と電子契約で賃貸借契約を締結したB(33)さんは“事務室でホームページに接続してオンライン署名一つですべての手続きが終わった”として“忙しい会社員が時と場所に関係なく不動産契約を締結できて便利だ”と伝えた。

このような長所にもかかわらず、利用実績が低調な理由としては低い認知度が挙げられる。
電子契約が活性化するには取引当事者である一般国民の積極的な参加が最も重要だがこの間広報が不足して活用率が低いという指摘である。
電子契約に対する漠然とした不安感となじみがうすいことも利用を敬遠するようにさせる要因である。

民間部門で電子契約が行われるためには売主(賃貸借取引時賃貸人)と買主(賃借人)、公認仲介士など3者が全部電子契約に同意しなければならない。
この過程で売主や賃貸人は税源が露出して不利益を受けることがあるという不安感のために電子契約を拒否するというのが不動産業界内外の説明である。
相対的に`乙’の地位にある賃借人が先に電子契約を要求するのは難しい。

ソウル、麻浦区(マポグ)で仲介業者をするある仲介者は“協会(韓国公認仲介士協会)次元で電子契約関連教育を受けたので取引時に薦めれば売渡・賃貸人の80%は話も聞いてもらえない”として“売渡・賃貸人が好まない以上仲介業者などはこれらの意向に従うほかはない”と話した。

不動産取引情報が流出することがあるという憂慮も拒否感を育てる。
だが、政府はこのような憂慮が取越苦労に過ぎないと説明する。
韓国鑑定院関係者は“税源露出憂慮はこのシステムを理解できないことから始まった漠然とした恐れ”と説明した。

国土交通部関係者は“今は確定日付時や借家人の家賃税額控除等を通して賃貸現況を把握している”として“電子契約を通じて確定日付が自動で付与されればどうしても情報の正確度を高めることができるだろう”と話した。

かえって電子契約は紙契約に比べて安全性が高いほうである。
公認仲介士に対する徹底した身分確認が保障されるので無資格・無登録者による不法仲介行為から保護されることができるためだ。
また、取引当事者個人情報などは暗号化されて電算処理されるので安心して不動産取引をすることができる。
契約書をなくす心配もなくて契約書偽・変造の可能性もない。

クォン・デジュン明智(ミョンジ)大不動産学科教授は“政府が不動産取引をすべて調べる目的で電子契約を導入するという憂慮を解消しなければならない”と強調した。
彼は“先立って公認仲介士協会側で不便であるなどを理由として導入に反発しただけ仲介業者などに適切なインセンティブ(恩恵)をあたえる方案も検討しなければならない”と強調した。

現在の政府は電子契約にともなうインセンティブとして登記手数料割引、貸出優待金利などを提供している。
電子契約システムを利用する消費者は現在の紙で契約する時より登記手数料を30%安く所有権移転または伝貰権設定登記を終えることができる。

例えば紙契約書で10億ウォン住宅の所有権移転登記を法務士に依頼すると仮定すれば消費者が負担する登記手数料は約76万ウォンである。
反面電子契約システムを通じて電子登記申請すれば消費者はこれより30%安い約53万ウォンだけ支払えば良い。

また、電子契約を通じて住宅売買・賃貸借契約を締結した消費者がサポート融資、支援伝貰金融資を利用するとき貸出金利を0.1%ポイント追加引き下げ受ける。

韓国住宅金融公社で住宅保証金融資に必要な保証書の発給を受ける場合には保証料率0.1%ポイントを引き下げ受けることができる。
一部では電子契約を躊躇する賃貸人の参加を誘導するためにより多くのニンジン策を提示しなければなければならないと主張する。

キム・ハクファン スンシルサイバー大学 グローバルビジネス学部長は“電子契約システムを定着させるには賃貸人税制恩恵提供なども良い方案になることができる”と強調した。

彼は“電子契約を公認仲介士に法的に強制するのは無理があるが取引当事者に紙契約だけでなく電子契約説明の義務を賦課するのも一方法”と付け加えた。
しかし政府は賃貸人に税制恩恵を与えれば特典論議が後になることがあるという点を考慮して慎重な立場だ。

先立って国土部は民間賃貸事業者として登録する場合、あたえる税制恩恵が過度だという批判に直面して恩恵を縮小したことがある。
国土部関係者は“色々な活性化方案を検討中だが賃貸人税制恩恵は議論されたことがない”と一線を画した。

タブレットPCやスマートフォン使用になじまない高齢層が困難を感じることがあるだけに公認仲介士などを対象に関連教育を強化する必要性も提起される。
鑑定院関係者は“公認仲介士対象実務教育を実施している”として“公認仲介士は電子契約締結時必ず汎用または、特殊目的用公認証明書が必要だが現在までは特殊目的用公認証明書発行が無料で提供されている”と説明した。
今年から公認仲介士試験に電子契約関連問題が出題されたりもする。

政府は韓国土地住宅公社(LH)・SHが供給する公共賃貸住宅など公共部門を中心に電子契約を拡大するという方針である。
昨年締結された電子契約10件中8件(合計2万 2363件)は公共部門だった。

国土部ハ・チャンフン不動産産業課長は“公共部門から電子契約を段階的に拡大すれば利用経験を持つ民間が増えること”としながら“彼らが別の契約を締結する時自然に利用経験に基づいて民間契約にも電子契約を活用することになるだろう”と明らかにした。

政界では公共部門での義務導入方案が議論されている。
キム・ヨンジン議員は“電子契約はすべての不動産取引に対するビッグデータ蓄積を可能にする画期的なシステム”としながら“不動産市場の透明性強化および電子契約活性化のためにまずLH、SHなどの公共住宅に電子契約を義務化する方案を推進しなければならない”と主張した。

合わせて政府は公共支援民間賃貸住宅(過去のニューステイ[仮訳者注:ニューステイとは、賃借人が長期間(少なくとも8年)安定(家賃の上昇率年5%以内)に居住しながら、特化された住宅のサービスを受けることができる企業型賃貸住宅のこと。(出典)マイホームポータルhttps://www.myhome.go.kr/hws/portal/main/getMgtMainPage.do])事業施行社および建設会社などとの業務協約(MOU)締結を通じて電子契約活性化に乗り出している。

ハ課長は“世宗(セジョン)市で最近分譲した‘ハンシンドヒュ リザーブⅡ’は民間アパートの中で最初に分譲段階から不動産電子契約システムが適用された”と紹介した。

国土部は電子契約システムが定着すれば紙契約書流通・保管費用削減などで年間3300億ウォン余りの社会・経済的効果が現れると予想した。

国土部は今年電子契約システム関連予算9億 7100万ウォンの中で広報および広告予算を8400万ウォンで編成した。
オンライン ポータルサイト広告掲載および引越しシーズン案内資料配布等を通して対国民広報活動に乗り出すという計画である。

チャン・ジンボク記者viviana49@seoul.co.kr

【出典】韓国/ソウル新聞
[出処:ソウル新聞で提供する記事です。] https://go.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20190424017002&wlog_tag3=naver#csidxa833fe56e5b45a68f9ed0929a991952
2019-04-24 17面

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Author: hasegawa

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