【韓国】法務士の個人回生事件包括受任の合法性

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パク・ヨンギュ名誉教授(京畿(キョンギ)大法大)
入力:2019-04-08 午後3:33:52

個人回生事件を包括受任した法務士が弁護士法違反罪で起訴された事件で控訴審である水原地院が1審である城南(ソンナム)地院の無罪判決をひっくり返して’法務士の個人回生・破産事件包括受任行為’を有罪と判決(2018노524)した事件がある。

これは個人回生事件の特性上単純に色々な種類の書類を一度に作成・提出して報酬もまた、一括して定めたといって直ちに弁護士法第109条第1号が禁止している’代理’に該当すると見ることができないという1審判決と相反する判決である。

事件の事実関係は個人回生事件に提出される色々な書類はその様式と作成要領などが定形化されていて、被告人が依頼人から提供される資料を定形化された様式と作成要領により必要書類を作成して法院に提出したと伝えられている。

であれば事件の申請および実行に必要なすべての手続きを実質的に代理したと断定できないと見なければならない。

また、被告人が弁護士法第109条第1号が禁止した’代理’をしたと認めるには被告人と依頼人間の約定内容、事件関与度および作成書類の具体的内容などを総合的に問い詰めて被告人の事件処理の主導および実質的代理の有無を評価することが当然である。

控訴審は被告人が’法院に提出する書類および法院の業務に関連した書類の作成とその作成された書類の提出代行’に限定される法務士の業務範囲を超過して弁護士法第109条第1号で禁止する法律事務を取り扱って収益などを取得することで上の規定に違反したと見ている。

すなわち被告人が個人回生事件を受任して事件処理を主導して依頼人のために事件の申請および実行に必要なすべての手続きを実質的に代理したとのことが要旨である。

ところで個人回生事件は提出する書類の内容が比較的定形化されているという特性を持つ。
また、実務的にも今まで色々な種類の書類を申請書とともに作成、提出するように推奨されてきただけでなくこれを当然視してきたのが現実である。

このような特性および現実で報酬もまた、一括して定めたとしてもこれが弁護士法第109条第1号が禁止している’代理’に該当すると断定するのは行き過ぎた論理の飛躍だと見るほかはない。

非訟事件の代理に対しては法務士への名称変更以前である司法書士時期から’非訟事件の申請代理’にともなう手数料を明文で規定して司法書士の業務であることを明確にしたことが明かである。

その当然の結果として1961年ソウル地方法院長が大法院長に質問した司法書士の非訟事件申請代理が弁護士代理の原則に反するのかどうかに対して代理行為が可能であると回答していることを見ることができる。

それだけでなく実務的にも法務士の個人回生事件代理業務に対しては法院が率先して関連書類を一括提出するように案内、教育してきたということが知られている。

したがって被告人が個人回生事件を受任して事件処理を主導して依頼人のために事件の申請および実行に必要なすべての手続きを実質的に代理したといっても全く異常なことではないと見られる。

この事件は被告人である法務士が上告して現在の大法院が審理中である(2018도17737事件)。

これに対しては次の通り要約して見ることができる。
最初に、被告人の行為は法務士業務範囲内の行為である。
法務士である被告人が個人回生事件などに関して処理した業務は法務士法第2条にともなう正当な業務遂行であるから弁護士法違反罪が成立できない。

すなわち法務士法など関連法令で法務士に書類作成および提出などに関する包括的受任を禁止するという明示的な禁止規定や法務士の書類作成および提出時に必ず文書別に委任を受けなければならないという制限規定はない。
これは文書の作成および提出に関して法務士の代理行為は許されていることを語っている。

したがって2審判決には個人回生事件の特性と実務を十分に考慮しないで、法務士法が許容する法務士の業務範囲を恣意的に縮小解釈して判決に影響を及ぼした違法があるということが明かである。

二番目に、証拠法則に関する法理誤解および審理微弱がある。
控訴審が引用した大法院判決(2006도4356)をこの事件にそのまま適用することは難しい。
この判決は身分犯である一般人(法務士事務長)の犯罪に消極的身分である法務士が加担した場合であり刑法第33条本文により共同正犯の罪責を負う場合である。

これに対して今回の事件は初めから消極的身分である法務士が事件を処理した場合であるから事実関係がそれぞれ異なる。

それだけでなく2審が審理過程で心証の形成に影響を及ぼすほどの客観的理由として新しくあらわれたものがないにも関わらず1審の判断を再評価して事後審的に判断してひっくり返そうとする時には、1審の証拠価値判断が明確に誤ったり事実認証に達する論証が論理と経験法則に外れるなどでその判断をそのまま維持することが顕著に不当だと見るほどの合理的な事情がなければならない。

だが、2審判決はそういう例外的事情を全く探せないが、これは証拠法に関する法理を誤解したり審理微弱で判決に影響を及ぼした違法があることに該当すると見ることができる。

控訴審判決宣告以後法務士業界では”法院が法務士法と実務現実、国民の法感情を無視したまま特定職域の利益だけを擁護する判決を下している。
弁護士利益だけ擁護して国民の不便を強要する不当な判決を正す責務を大法院が破ってはいけない”という声が高い。

また”弁護士法第109条は法務士でない非資格者である一般人を規制するための法で、法務士は法務士法と法院の個人回生業務指針により正当に業務を遂行してきた。
今回の判決は法院自らどうかして借金に悩まされて新しい出発をしようとする善良な国民に時間的不便と経済的負担を加重させるもので回生制度の趣旨に外れる”という指摘もある。

個人回生事件を進めようとする国民も”個人回生を申請するのに高額になることは経済的な事情も良くない状態で思いもよらない”としながら訴えている実情である。

大法院がこの事件を判断するということにあってこのような世論にも耳を傾けてくださいと助言したい。

パク・ヨンギュ名誉教授(京畿(キョンギ)大法大)

【出典】韓国/法律新聞
https://www.lawtimes.co.kr/Legal-Opinion/Legal-Opinion-View?serial=152042


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Author: hasegawa

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