【韓国】(研究論壇)成年後見制度利用拡散のための提案

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研究論壇
成年後見制度利用拡散のための提案
ペ・グァンヨル弁護士(社団法人オンユル) 入力:2018-12-13午前9:47:33


1.はじめに
2013年成年後見制度が施行されて以来我が国の後見審判請求件数は2017年まで年度別で723件、1518件、2087件、2558件、4124件を記録した。
そして2017年一年間、後見開始審判が確定した以後法院で開始した後見監督事件は合計3855件だった。

しかし発達障害、精神障害、認知症等の意思決定能力が不足した成人が約100万人程度という点と比較すると、その利用が非常に低調だと言える。
以下では各国の後見制度利用現況を考察して、我が国の後見制も利用が低調な理由を分析してその活性化のための提案をしようとする。

2.各国の後見制度利用現況
가.日本
日本の2013年から2017年まで年度別で後見開始審判請求件数は3万4548件、3万4373件、3万4782件、3万4249件、3万5737件で、後見開始審判が確定して裁判所で開始した累積後見監督事件は17万6564件、18万4670件、19万1335件、20万3551件、21万290件だ。
日本の人口は約1億200万人で、そのうちの65才以上人口は約26%に達する3300万人であって、その数は毎年0.6%ずつ増加している。

これに対し照らしてみるとき日本でも後見制度は広く利用されずにいる。
このために日本は2016年5月13日‘(略称)成年後見制度利用促進法’を施行して、総理を議長とする‘成年後見制度利用促進会議’を構成し、2017年3月24日‘成年後見制度利用促進基本計画’を発表した。

上の計画は①利用者が恩恵を実感できる制度運営の改善、②権利擁護支援の地域協力ネットワーク構築、③不正防止の徹底および利用容易性との調和を骨子とする。

나.英国
英国は本人が意思能力が不足するときに備えてあらかじめ自身の財産・身上に関する事務を他人に委任する契約である‘持続的代理権(Power of Attorney)’制度と法院で後見人を選任する‘法定後見(Deputyship)’を併用している。

2013年から2017年まで年度別で‘持続的代理権’の場合、29万5000件、40万9049件、54万7021件、64万8318件、77万995件、‘法定後見’の場合、4万7341件、5万3100件、5万7122件、5万7702件、5万9528件が開始された。

英国の人口は約6600万人で、そのうちの65才以上高齢者人口は約18%である約1200万人だという点を勘案すれば、英国では後見制度が比較的広く活用されているということがわかる。

다.ドイツ
ドイツも本人があらかじめ信頼できる者に事務を委任する‘持続的代理権(Vorsorgevollmacht)’と‘法定後見(Betreuung)’を併用している。
2015年基準として法定後見は127万6538件が開始され、持続的代理権登録件数は320万件に達する。

ドイツの人口は約8200万人で、そのうちの65才以上人口は約19%である1774万人に達するという点を勘案すれば、後見制度が広く活用されているということがわかる。

3.後見制度利用活性化のための提案
가.未来を備えておかなければならないという文化拡散
このように成年後見制度を中心に運営する我が国と日本は全体人口、高齢者数に照らして後見制度利用が低調だが反して、持続的代理権のように未来の財産・身上問題をあらかじめ備える制度を併用する英国とドイツの場合、後見制度利用がさらに活性化しているということがわかる。

この現状の原因に対してアジアと西洋の他の文化的土台等を上げる意見がある。
しかしかえって東洋的伝統家族思想を土台とする日本の場合、第三者が後見人で選任された比率が73.8%に達するのに反して、ドイツの場合、家族が後見人で選任された比率が50%、専門家は37.7%というところ、東・西洋の差がこの現状の原因とは見られない。

かえって筆者は自身の意思能力が不足するときあらかじめ備える各種制度を利用する文化が定着したのかが後見制度利用活性化の原因だと考える。

英国とドイツの場合、持続的代理権を設定しなかったり、そのことだけで保護の空白ができる場合には法定後見を利用するという考えが広く広まっているという。

そのような社会の認識がすなわち後見制度利用活性化に連結されることだ。
反面、あらかじめ準備しなければならないという考えはもちろんで、成年後見制度に対する認識も不足した我が国の場合、一般人は言うまでもなくて、専門家たちのうちでも本来本人に対して成年後見が開始されてすべての事務を後見人に全面的に任せるのを希望する人は多くない。
私さえも希望しないことを広く利用しなければなければならないと促してもそのことが成されることは皆無だ。

나.公共後見の活性化
世界最高水準である老人貧困率(49.6%)を持つ我が国で弁護士、法務士等の専門家後見人の助けを受けるための報酬に耐えられることができる人は多くない。

中産層であっても、毎年少ないのは600万ウォンで多くて数千万ウォンの後見報酬を死ぬ時まで負担できる人は多くないためだ。
したがって我が国後見制度活性化は国家が後見に必要な費用を負担する公共後見の活性化にかかっているといっても過言ではない。

さらに公共後見は最も脆弱な階層に対する福祉漏水を埋める基本的な社会安全網として大変重要な制度だ。
利点を認識した日本も‘権利擁護支援の地域協力ネットワーク構築’を主な課題に設定した。

我が国の状況は難しいだけだ。
保健福祉部は発達障害者・精神障害者(制限的施行)・認知症高齢者(2018.9.20.施行)に対する公共後見制度を運営している。
しかし各課別で分離して事業を運営するに伴い蓄積された専門性を共有するのに限界があって、事業内容が統一されていることもない。

公共後見制度の指令塔である福祉部の状況がそのために公共後見の中軸を担当する地方自治体は公共後見事業を自分たちが地域住民たちのためにしなければならないことだと考えないで消極的であるだけだ。
今でも汎政府次元で公共後見制度の枠組みを全面再検討して新しく確立しなければならない理由だ。

다.無期限後見の整備
現在の成年後見、限定後見は事実上被後見人が死亡する時まで短く数年で長くて数十年間続く。
このような無期限後見は被後見人の自己決定権を持続的に侵害することで進んで、後見制度利用拡散を阻害している。

まず無期限後見は親族後見人に相当な負担だ。
被後見人を代理して処理しなければならない重要な事務を終えれば、親族後見人は一生自身が被後見人を扶養する内容を毎年法院に報告して、監督を受けなければならない。

さらに少なくない親族後見人は弁護士、法務士に費用を支払ながら後見事務報告書作成に助けを受けている。
親族の立場では後見制度というのは真におかしな制度にならざるをえない。

二番目、無期限後見は専門家後見人にも相当な負担だ。
被後見人の期待余命が10年という時、相当な使命感を持った専門家後見人ではない以上その期間後見サービスを提供するのは容易ではないことだ。

さらに後見報酬が現在のように被後見人財産から、さびしく支給される場合、国家財政支援がない以上後見人の努力に比べて低い水準に定まるものだという点を勘案すれば、このような負担を甘受しながらも専門家後見人で活動しようとする者は多くないだろう。

三番目、公共後見制度もまた同じだ。
公共後見人は奉仕の一環で月15万ウォンから20万ウォンの間の活動費を受けて無縁故低所得層認知症老人、発達障害者、精神障害人に後見サービスを提供している。

公共後見は主に特定後見類型を利用しているが、これは被後見人の人権保護の側面もあるが、ボランティアで活動する公共後見人に被後見人を一生世話しろとの負担を負わせては制度が運営されることができないという現実的な考慮も反映されたのだ。

それに反して限定後見類型を利用している精神障害人のための公共後見の場合、後見人とこれらを監督する保健福祉部、地方自治体の最も大きな悩みは被後見人が死亡するときまで後見サービスを提供しなければならないという負担感だという。

前述したことと現政権の認知症国家責任制、コミュニティ ケア活性化政策基調に照らしてみれば、公共後見は拡大施行されるほかはないのに無期限後見という問題は障害物になるだろう。

4.汎政府的な制度準備至急
後見制度が本来の目的に合うように活発に利用されるための制度改善は民間領域、法院、法務部、福祉部どちらか一つの軸だけ出ては解決されることはできない。

民間領域では去る10月ソウルで開催された‘第5回世界成年後見大会’で上のような憂慮を解決するための汎政府的な努力を促す‘ソウル宣言’を採択した。

もう国家もこれに対し答えて共に知恵を集める時だ。
全世界に由来ない速度で超高齢化社会に疾走している我が国で私たち皆の問題である後見制度は全国家的力量を集めて制度の枠組みを設計してこそその目的のとおり広く利用されることができるためだ。

ペ・グァンヨル弁護士(社団法人オンユル)

【出典】韓国/法律新聞
https://www.lawtimes.co.kr/Legal-News/Legal-News-View?serial=149203

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Author: hasegawa

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