【韓国】電子民事訴訟とインターネット映像裁判

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電子裁判に関して参考となる論文を見つけましたので、研究のために仮訳しました。
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電子民事訴訟とインターネット映像裁判
チョン・ヨンファン教授(高麗大ロースクール) 入力:2018-08-13午後5:02:57

I.概念の整理
1.電子民事訴訟というものは電子文書を利用して遂行する民事訴訟をいう。

これに関する法規としては電子文書および電子取引基本法(略称、電子文書法)、民事訴訟等での電子文書利用等に関する法律(略称、民訴電子文書法)、民訴電子文書規則(以下‘規則’)および民訴電子文書業務処理指針(以下‘指針’)等がある。

2.電子民事訴訟は、電子文書に弁論は当事者が言葉で重要な事実上または法律上の事項に対し述べたり法院が当事者に言葉で該当事項を確認する方式でするけれど(規則第30条第1項)、その弁論はコンピュータ等の装置によって電子文書を現出した画面で必要な事項を指摘してできて(規則第30条第2項)、マルチメディア方式の資料による弁論は第1項の方式のような情報処理能力を備えた装置によって再生する音声や映像のうち必要な部分を聴取または視聴する方法で行い(規則第30条第3項)、弁論準備期日で当事者が弁論の準備に必要な主張と証拠を整理する場合、弁論期日で弁論準備期日の結果を述べる場合または控訴審で第1審弁論結果を述べる場合に第1項ないし第3項を準用(規則第30条第4項)して遂行する。

このような電子民事訴訟の実行を法廷でなくインターネット画像装置等の映像でする裁判を映像裁判という。

II.映像裁判の適法性
1.電子民事訴訟は電子文書を利用して遂行する民事訴訟であってその電子文書は書証と同じ効力があるが(電子文書第4条1項)電子文書自体は有形物でなく視空の制限を超越して目で見ることはできない情報(民訴電子文書第2条1号)であるから法廷という制限された範囲でやりとりする必要がなくて映像裁判が可能になるものである。

2.(1)電子民事訴訟を遂行しようとする者は使用者登録をしなければならなくて(民訴電子文書第6条1項)、電算情報処理システムを利用した民事訴訟等の進行に同意しなければならない(民訴電子文書第8条)。

したがって紙記録事件で進めるのか電子訴訟にするのかは当事者が自由に選択することができる。
映像裁判もまた電子訴訟の一形態であるからその進行はやはり当事者の選択にかかっているということだろう。
これが映像裁判の適法性の根拠になるだろう。

(2)裁判の公開(法条第57条第1項)、その中で当事者公開は映像で当事者に当然成されるので一般公開が問題になるが、電子民事訴訟を遂行するには法院事務官等は期日が始まる前に法廷に設置されたスクリーンおよびプロジェクター、撮影装備の電源を連結して各機器が正常に作用されるのか、法廷に設置されたスクリーンの画面に裁判長等および両側当事者のモニター画面が正常に表出・転換されるのかどうかを確認するので(指針第80条第1項)、一般人誰でも法廷に設置されたスクリーンの画面で裁判の進行を見ることができて一般公開がなされる。

(3)口述主義は言葉で述べた訴訟資料だけが裁判で参酌しなければならないという原則である。

紙記録事件では当事者が法廷に出席して言葉で陳述または陳述したと見なされて初めて裁判で参酌されるだろう。
電子訴訟も今までは紙記録事件のように進めた。

しかし民事訴訟法第134条第1項は‘当事者は訴訟に対して法院で弁論しなければならない’となっているだけで法廷に出席して弁論しなければなければならないとなっていない。
民訴電子文書法およびその規則や指針のうちどこにも当事者が法廷に出席して言葉にする陳述だけが裁判で参酌するという規定を置いていない。

電子民事訴訟では時間と空間を超越する情報に関して言葉で述べれば口述主義が適用されるので当事者が法廷に出席しなくても法官が駐在する法廷のスクリーンやモニターを通じて言葉で弁論するならば問題になることはない。
この場合法院事務官等は弁論調書に出席した当事者と出席しない当事者を記載するべきなので(第15条4号)電子民事訴訟の場合には‘映像裁判出席’と記載することで充分である。

III.映像裁判の効果
1.司法制度に及ぼす影響
民事訴訟分野で電子訴訟制度の導入は電子訴訟システムを利用した訴訟書類の提出、訴訟記録の電子的管理、電子法廷の活用および電磁記録の閲覧等を通して司法制度に対するアクセシビリティおよび司法行政の効率性向上、司法手続にあっての口述主義の実質的実現に寄与するということである{パク・ジヨン、‘民事訴訟等での電子文書利用等に関する法律’第3条第1号の立法影響分析(国会立法調査処2016.10.31.発刊、立法影響分析報告書第11号、以下‘分析’)}。

ここに一歩進んで当事者の法廷出席を要求しない映像裁判が実施されるならば司法制度に及ぼす肯定的効果がさらに拡大するということは言うまでもない。

2.経済的競争力に及ぼす影響
電子訴訟制度の運営によって企業環境指数が上昇して私たちの電子訴訟関連法制が外国に影響を与えることによって韓国企業の海外活動および海外企業の国内投資に利点で適用できるという点に照らして電子訴訟制度の導入は我が国の経済的競争力向上に寄与したと分析される(分析、21面)

3.財産権に及ぼす影響
2015年第1審民事本案事件の56%が電子受付をしたという事実を見る時紛争解決手続として電子民事訴訟制度が財産権保護強化に寄与する(分析、21面)

4.規制の緩和
紙訴訟だけを利用して訴訟を進行できた過去とは違い電子民事訴訟制度の導入を通じて当事者等の訴訟関係人は既存の紙訴訟の代わりに電子訴訟を選択して訴訟を進行できるという点で電子訴訟制度導入のための民事電子文書法の制定・施行は規制を緩和する立法として分析される。

すなわち、電子訴訟システムを活用して訴訟書類を電子文書で提出できて送達または通知も電子的に可能になるに伴い訴訟書類提出のために法院を訪問したり紙文書を出力・コピーする等の処理にかかる時間と費用を節約できて、送達または通知のための時間と費用もやはり節約することができるためである(分析、21面)。

IV.映像裁判施行で留意する事項
1.使用者登録時一定の会員情報の入力を要求して一定期間その情報を保管して、民事訴訟に関連した各種資料を電子訴訟システムに登載して管理している点で電子民事訴訟制度は個人の情報保護に影響を及ぼすものであるから、個人情報関連セキュリティー事故発生の防止に対する補完策が必要である。

2.電子民事訴訟制度を利用する90%以上の会員が法人や弁護士、法務士等の資格者であるという点、個人会員の電子受付にしても増加傾向が法人や代理人会員の電子受付件数増加傾向に達し得なくなっているという点を見れば情報通信機器の接近や使用に困難を経験したり訴訟実務上知識が不足した個人会員が電子訴訟システムを利用するには限界があって電算装置を利用するのになじまない小商工人、個人や老弱者に対する一般的アクセシビリティの強化のための方案を用意する必要がある。

v.結論
1.電子訴訟制度の導入で24時間訴訟書類を電子文書で提出できて、送達または通知も電子的に受けたり送れるし、いつどこでも電子訴訟システムに接続した後に電子訴訟ホームページで訴訟記録を閲覧して事件進行状況を確認できるという点で司法制度に対する接近を高めて憲法上国民の裁判を受ける権利の実現に寄与して、進んで司法行政の効率性を向上させるということが専門家たちの分析である(分析、23面)。

2.我が国は2015年10月28日世界銀行が発表した2015年企業環境評価Doing Business 2016法的紛争解決(Enforcing contracts)項目で189ヶ国中2位を占める(分析、26面)。

2011年民訴電子文書法が施行された以後に民事訴訟分野で法的解決項目順位が5位から2位に上昇してその後3年連続2位を占めたことは法的紛争解決項目を評価するのに電子事件管理システムの存在の有無を考慮するという事実に照らしてみる時、電子民事訴訟制度の導入が韓国企業の活動環境を改善して我が国の経済的競争力向上に寄与したと見られる(分析、27面)。

また、外国で私たちの法制と類似の法的紛争解決手続きを採択する場合、韓国企業が該当国家で法的紛争解決手続を利用するところに困難を減らすことになって、その国家の企業が我が国に投資するということにも法的紛争解決手続の類似性が長所として作用する可能性が高いという側面で法制改善事業を通じて私たちの電子訴訟関連法制が外国の電子訴訟関連法制に影響を及ぼす場合、電子民事訴訟制度が我が国の経済的競争力を高める要素として作用する側面が大きいのである(分析、28面)。

3.映像裁判は上の立法影響分析と同じ理由で国民一般の広範な選択によって今後増加する可能性がある。

しかしこのような増加はいかなる強制によったものではなく国民が映像裁判に関して憲法第27条第1項で定めた裁判請求権を自ら行使した結果であるだけに大きな司法府は一日でもはやく映像裁判に関する施設と設備を完備して国民の意思に応じるべきで、法官は映像裁判に関する各自の好き嫌いを離れて主権者である国民が選択した映像裁判をよく遂行しなければならないだろう。

チョン・ヨンファン教授(高麗大ロースクール)

【出典】韓国/法律新聞
https://www.lawtimes.co.kr/Legal-Info/Legal-Info-View?serial=145629

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Author: hasegawa

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